当蔵では、仕込み水だけでなく、洗米から器具類の洗浄すべてに、井戸から湧出する硬度0.2の超軟水を使用しております。
米に残っている糠(ぬか)や米くずを洗い流し、必要な水分を吸収させ、水を切ります。米にどのくらい水を吸わせるかで、酒質に大きな影響が出ます。
米のデンプンをα化(アルファ化・糊化)し、麹菌が出す糖化酵素の作用を受けやすくするため、米を蒸します。蔵人の熟練の技で「外硬内軟」に蒸し上げます。
蒸した米に種麹(たねこうじ)をふりかけ、麹米(こうじまい)を造ります。麹菌(こうじきん)の働きにより、酵母(こうぼ)がアルコール発酵するのに必要な糖分が生み出されます。
雑菌の繁殖を防ぐため、乳酸によって酸性に保たれた環境で、酵母を増殖させます。米から自然に乳酸を育てる生酛系と、人工の乳酸を添加する速醸系に分けられます。
日本酒通の方ですと「生酛造り、山廃造り」という言葉をご存知の方もいらっしゃるかと思います。「生酛」とは、自然に乳酸菌を繁殖させて乳酸を得る方法で、明治時代に醸造用乳酸による速醸酛(そくじょうもと)が開発されるまでは、この手法が一般的でした。「山廃酛」は、生酛の「山卸し(やまおろし)」という酛摺り(もとすり)作業を行わない(=山卸し廃止の略)手法ですが、手間と時間がかかることでは生酛と変わりません。当蔵では2014年より、この日本古来の手法による酒造りに取り組んでいます。生酛・山廃で造ると、深みのある味わいでしかも劣化しづらい強いお酒ができ上がります。
酒母造りで得られた酸性の環境を壊さないよう、3回に分けて徐々に原料を増やしていく「三段仕込み」を4日間かけて行います。
麹菌による米の糖化と、酵母によるアルコール発酵が同時に進行する「並行複発酵」により、度数が17〜20%と高いアルコールが生成されます。
仕込みから20〜30日ほどを経て十分に発酵した醪(もろみ)を、清酒と酒粕とに分けます。圧搾機によるもののほかに袋吊りという手法などもあります。
上槽後の酒に残った小さな固形物・滓(おり)を、ろ過機で取り除きます。ろ過することで、着色防止や余分な香り成分の除去ができます。
60〜65℃の低温加熱殺菌を行います。火入れすることで、酵母の働きによる味の変化を止め、殺菌します。
ビン詰めまでタンクで貯蔵します。時間をおくことで、アルコールと水の分子が融合し、まろやかな酒質になります。
調合、割水(わりみず)、再度のろ過・火入れなどをして味を整え、ビン詰めします。ビン詰め時には、異物の混入がないかなど厳しく品質チェックを行います。
出荷する前に二度目の「火入れ」を行います。酒内に残った酵素の働きをとめ、日本酒の香りや味わいを悪くする菌を殺菌します。
※2度の火入れを全くしない完全な生の状態が「生酒」、貯蔵タンクに入れる前だけ火入れをし、瓶詰時にしないのは「生詰(なまづめ)」、貯蔵用のタンクに入れる前に火入れせず、瓶詰め時にだけ火入れをするのが「生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ)」と言います。
地元・愛知県だけでなく、日本全国各地や、台湾・中国・オーストラリアなど海外へも出荷しています。
長年愛された味わいを大切に守り続けると同時に、時代の空気に即しながら、新たな味、新たな銘柄も常に創造してゆく。その追究の連続が伝統や文化を育む、と私たちは考えています。
※ささゆりバスは平日のみの運行です。その他の額田地域のコミュニティバスなど詳しくは、岡崎市Webサイトをご確認ください。
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